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酒類・アルコールがビーガンでない理由と具体的な対策

酒類・アルコールは、ドリンクとしての提供だけでなく、料理に使用することでビーガンではなくなるケースがあります。当サイトとしては、ビーガン対応を行う事業者には酒類・アルコールの安易な使用はオススメしておりません。

理由1.アルコールに動物性の原料が混入している可能性がある

結論から伝えると、アルコールに動物性の原料が使われていても、パッケージのラベルに表示されていません。

肉や魚そのものがアルコールに混入するケースは滅多にないとしても、よくあるケースは発酵菌の餌に動物由来の原料が使われた砂糖を使用することや、発酵を止める目的や酸化防止剤・防腐剤の目的で動物由来の食品添加物が使われることがあります。

・法律上の話

酒類・アルコールは、農林水産省食料産業局が定める食品ラベルの法律である「JAS法」および「JAS規格」の対象外とされているため、アルコール飲料のラベルへの原料の表示については、JAS法の表記ほどは義務化されていません。(ただし、料理酒を除く。)

参考:JAS法とは(農林水産省)

参考:「早わかり 食品表示ガイド」<事業者向け>~食品表示基準に基づく表示~(提供元:消費者庁)

酒類については、「原材料名」、「アレルゲン」、「原産国名」の表示は要しないこととされています(基準第5条)。  酒類の原材料名及び原産国名の表示については、別途、清酒の製法品質表示基準(平成元年国税庁告示第8号)により義務付けられているほか、公正競争規約などに基づく表示が行われています。

対策:酒造メーカーに問合せ、製造過程に使われている原料を確認するのが確実です。

理由2.酒類・アルコールの製造過程で動物性の清澄剤が使われている

お酒の製造過程では、濁りが発生します。酒造メーカーではパッケージ化する前に、この濁りを取って透明度を高めるために、清澄剤(澱さげ剤、フィルターとも言われます)を使用します。アルコールに投入された清澄剤は最終的には取り除かれるため、完成したアルコールには清澄剤が残りません。そのため、食品ラベルやお酒のラベルには清澄剤の表示が免除されます。

つまり、酒類・食品ラベルに表記がないにも関わらず、実際には製造過程において動物由来の原料が使われています。

動物由来の清澄剤

  •  食用ゼラチン(骨製)
      →白ワインに使用
  •  アイシングラス(魚の浮き袋から作られる膠〈にかわ〉)
      →白ワインに使用
  •  カゼイン・カルシウムとナトリウム(乳たんぱく質)
  •  動物アルブミン(卵由来)と血粉)
      →赤ワインに使用
  •  リゾチーム
  •  キチン(甲殻類の殻に含まれる繊維)

上記の清澄剤は動物由来の原料のため、これらの原料が製造過程において使用された酒類やアルコールは、ビーガン対応の食品を製造または調理する時には使えません。

参考:International Vegetarian Union: Drinks (リンク先は英語、日本語の自動翻訳あり)

対策:これも1.同様に、酒造メーカーに問合せ、製造過程に上記のフィルターのことを述べ、フィルターが使われているかを確認するのが確実です。

ビーガン対応の清澄剤

  • ベントナイト(粘土鉱物の一種)(鉱物由来)
  • 珪藻土(けいそうど)(鉱物由来)
  • アイリッシュモス(海藻)、
  • 二酸化ケイ素
  • ポリクラール

上記の清澄剤は植物および鉱物由来のため、これらが使用されたアルコールはビーガン対応として使用することができます。

理由3.宗教上の理由でベジタリアン・ビーガンを選択する外国人への対応としての問題

日本ではあまりありませんが、宗教上の理由でベジタリアンやビーガンを選択する外国人の多くは、戒律で動物の殺生を禁じているだけでなく、アルコールの摂取も禁じている宗教を信仰する人達もいます。厳格な信仰者の場合は、飲酒だけでなく料理にもアルコールを使わないケースもあります。

こうした戒律のあるベジタリアンやビーガンの人達に対して料理や食品を提供する場合に、アルコールを使わない料理を提供する必要があります。

以上3つがベジタリアン・ビーガン対応の食品に酒類・アルコールの使用をオススメできない理由です。

では、調理・製造する側としてはどのような対応をすればいいのでしょうか?

次回の記事では、調理の目的別に具体的な解決策や代替素材を紹介したいと思います。

次回の記事がアップされましたら、この記事にリンクを紹介いたします。